建築基準法で設置が義務付けられている防火戸
延焼を防ぐためのシャッター
防火シャッターとは、建物に使用される鋼製のシャッターで、防火性能を有するものになります。防炎シャッターと呼ばれることもあります。大きな建物では、火災が起こったときに燃え広がるのを抑えるために、防火シャッターを設置して延焼対策を行う必要があります。
防火シャッターでは、火災発生時にはヒューズが溶け、自動的にシャッターが閉まるしくみになっています。防火シャッターは、建築基準法に規定されている防火戸の1つです。建築基準法では、ある一定以上の大きさの建物には、防火戸の設置が義務付けられています。防火戸には、防火設備としての防火戸と、特定防火設備としての防火戸の2種類があります。
防火シャッターでは、スラット(鉄板)の厚さが15ミリ以上のものが特定防火設備、スラットの厚さが15ミリ未満のものが防火設備になります。なお、防火シャッターは防火区画という耐火構造で囲まれた区画ごとに設置されることになっています。
防火シャッターには危険もある
防火シャッターは火災を感知すると自動的におりてきて、普段は通路になっているところを遮るようになっています。シャッターは電気で動いているのではなく、自らの重みでおりるしくみになっています。
そのため、シャッターがおり始めると、原則として止めることはできません。閉まり始めたシャッターの下をくぐってしまうと、挟まれてしまう危険性があります。防火シャッターには、閉まりかけのシャッターに人や物がぶつかった場合に停止する安全装置がついているものもあります。
しかし、すべての防火シャッターに安全装置がついているわけではなく、シャッターに挟まれるという事故も発生しています。避難経路にある防火シャッターが閉まった場合には、非常扉が必ず用意されているはずです。防火シャッターが閉まり始めた場合には、シャッターをくぐることは絶対にせず、落ち着いて非常扉を探して脱出するようにしましょう。